魚人間(fish person) お節料理

仕事でアメリカのメーカーからの来日者と同行して取引先訪問などする時は、当然食事も一緒に摂ることになる。
日本に慣れている人達は、一度は寿司が食べたいようだが、多くの場合は、日本に来たからには一度は食べておかないと、と言う感じで、どうしても食べたい訳でも無いことも多い。

ある時“お前が食べたいのなら寿司でいいよ”と言われたことがある。
その時に“俺はfish personじゃ無いから(サカナ、寿司、でなくてもいいよ)”と答えたら、相手も“俺も別にfish personじゃ無い”。もう一人のアメリカ人は、“fish personか、なるほど”と呟いていた。

“fish person”と言う言葉は無く、正式な表現では無いが、会話の中の状況では通じる時もある言葉、かも知れない。

さて、日本のお正月。お節料理とお雑煮と言うのが定番。

日本の食生活が貧しかった頃は、恐らく穀類菜葉が主体。
時々、植物性蛋白質(豆類)もあったかも知れないが、平成の感覚で言えば質素な食卓
令和の今では時代の最先端を行くビーガン(vegan)と言える。

そんな普段は完全菜食だった時代に、正月だけは普段食べられない食べ物が食卓を飾ったのだろう。
地方によって異なるが、四方を海に囲まれた日本では、御馳走は海鮮が多かった。今でも、保存のきく魚介類がお節料理のお重には欠かせない。
関西では棒鱈が代表格。
そう言えば、関東のお節代表の魚はなんなんだろう?関東に住んでいながらよく分からない…
年に一度の“ごまめ”は全国共通なんだろうか?
いずれにしても、少し強引に解釈すると、平素ビーガン生活をしていた人々が正月には戒律を破って(?)魚を食べると言う風習の名残がお節料理。

さて、今の時代、多くの人は普段から肉や魚も食べる。正月に食べるお節料理が“ご馳走”と言うイメージが(少なくとも自分には)無い。普段食べ無い変わった食べ物が食卓に並ぶ、日本の伝統食を体験する貴重な機会、と言う感覚。
もちろん、大事な風習であり、守り続けるのは大切なことだとは思う。

今年は、新型コロナの影響で親戚の集まりなども無く、Fish Personで無い自分としては、わざわざ食べ慣れ無い魚料理を食べる必要も無い、と思った。

昨年は、飲酒の機会が大幅に減り、酒の肴も食べ無くなった。
いっそこの機会にビーガン生活を…やっぱり無理かな。

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