画像判定

先日の人間ドックの結果が送られて来た。初めてのE判定(要精密検査)が1個。
早速、掛かりつけの医者に行った。眼の画像診断だったが、人間ドックでは行わなかった撮影も行い、何も深刻な事では無く、経過観察も必要無し、と言う診断だった。「これを要精密検査と言うのは、検査医師の趣味ですね」と言うことだった。
趣味で要精密検査にされるのは困りものだが、画像判定は医療に限らず難しい。

工業製品では、仕様が決められている。仕様や検査合格基準などは、数値で示されているものもあるが、目視画像で判断されるものもある。画像処理システムなどで行うことも多いが、合否基準は人で設定する必要がある。微妙な判定だと、最終的には人の目で判断という事もある。
限度見本や写真で、これなら合格、これは不合格、と示されていてもなかなか判断は難しい。画像診断にAIを活用するのは、合理的な方法だと思うが、一般に普及するのはまだまだこれから。

同じことがスポーツにも言える。
陸上競技や水泳、ウィンター・スポーツで言えば、スキーのダウンヒルやスピード・スケートなどは基本的には結果は計測された数値で示されるので分かりやすい。
これに対して、体操競技やフィギュア・スケートなどは審判員の目で判定される。野球のボール/ストライクの判定も然り。
もちろん、競技レベルが上がるにつれて審判員のスキルも上がるので、それほど酷い判定は無いとは思うが、それでも主観と言うか審判員個々の差が生じることは大いに有り得る。もちろん、この判定・判断も含めてスポーツだ、と言われればそれまで。

いつだったか、フルーツ農家の人から聞いた話し。
農産品も大きさや甘さなどで品質グレードが分けられるて出荷されるが、工業製品と大きく違うところは、全く同じものが大量に作られることは無い。ある程度の個体差・ばらつきは当然ある。お客様から、例えば同じグレードでも前回、または、別のものと比べて味が違う、と言われてもそれは仕方の無いこと。農産物はそう言うものだと、納得してもらうしか無い、と仰っていた。

最初に戻って、人間ドックの画像診断。
人の身体も工業製品のようにみんなが同じ、と言うことはあり得ない。個々に違う、と言う意味では農産物と同じ。ここで、同じ判定基準で画像診断する、と言うのはそもそも不可能と言う気もする。健康診断と言う医療“産業”としては、そんな中でも無理して基準を作成し、なるべくそれに従って“作業”をしなければいけない。大きな異常を見逃す方が、恐らく重大な問題になるので、少し厳し目の判定基準にならざるを得ないのだろう。何はともあれ、要精密検査判定でも、何事も無く取り敢えずは良かった。

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