漢字の話し

初めて行った海外はオーストラリア。
オーストラリアの地方に行くと日本人とは話したことも無い人も沢山いて、日本に対する基礎知識の無い人たちも沢山いた。日本は知らなくても東京は知っているとか、通貨が円だとか、その程度だったかと思う。
ある時、これは日本語でどう書くのだ、と示されたのが”Mao Zedong”。その他2~3個の単語、おそらく中国人の名前、も示されたが当時は誰のことだかわからなかったので記憶に無い。”毛沢東”と紙に書いて渡した記憶がある。

その当時は中国語に触れたことも無く、同じ漢字を使う国だな、と言う程度の認識しかなかった。

漢字はいくつかの国で使われているが、微妙に違うとは言っても、基本的には同じ。微妙と言う表現が正しいかどうかは微妙だが。
例えば、”“と言う字は、中国大陸では”“、台湾の”“の一部をとって作られた簡体字。

戦前の日本の漢字は現在の台湾(臺灣)で使われている漢字と同じような繫体字が主だったようで、年配の人は台湾に行った時は筆談ができた、と言う。
それに比べて中国の大部分(広東省などを除く)は、簡体字と呼ばれる漢字なので、知らないと意味の分からない文字もいくつかある。

先ほどの”丰”の他、初めて見た時に分からなかった”“。
もうすぐやってくるクリスマス、中国語で”圣诞节“と書くが、日本の漢字に置き換えると”聖誕節“。

いずれにしても漢字を使わない国の人から見れば同じに見える。
いつだったか、アメリカ人に日本語と中国語の文章の違いは見てわかるか尋ねたことがある。日本語には時々丸みを帯びた簡単な文字があるから日本語だとわかる、と言っていた。漢字の違いはわからなくても、漢字とひらがなの区別はつくようだ。
確かに、簡体字は簡略化されていると言っても基本的には直線でできている。ひらがなの”あ”や”お”など曲線はほとんど使われていない。

漢字は覚えるのも難しく、正確に、ましてや正しい書き順で書くのは至難の業。けれども、読んで一瞬で意味を把握するのは早い。
漢字の読み取りは、ローマ字語など一般的な文字を読み取る時の左脳にある言語野では無く、イメージとして右脳を使うのだとか。

小学校の頃は苦痛でしかなかった漢字の読み書き、パソコンやスマホを使うようになって正確に書けなくなって来ているが、読める(意味が分かる)のはそれだけでも非漢字圏の人に比べるとアドバンテージ。
漢字に苦しんでいる子供達も、やはり苦労してでも最低限は勉強はした方が良い、と個人的には思う。

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