適度な緊張感
数週間前に仕事で緊張するか、と言うの話題になった。
考えてみると、仕事で緊張することが最近は無い。
特に今年は新しい取引先などに行く事も少なく、知らない場所、知らない人に会うことは僅か。
仕事で緊張した、と言ってまず思い出すのが、20代の頃にアメリカのメーカーで行ったプレゼン。
そのメーカーが他社と合併するにあたり、両社のメンバーと両社それぞれのアメリカ国内外の代理店が集まり開催された。その中で司会をしていた旧知の人が、自分にプレゼンの機会を与えてくれた。心の準備も何も無く、当時は大勢の前でのプレゼンにもまだ慣れていなかった。しかも日本語は通じない。
日本での引き合い内容とそれに対する我々の提案をプレゼンし、その提案に対する改善案を会場のみんなに出してもらう、と言った内容だったと思う。
よく言われる起承転結の“起”から何を言って良いのか分からなかった。司会者が日本の引き合い内容、提案内容を熟知していたので、全て手伝ってもらった。
それから10年以上後に、似たようなプレゼンの機会があった。
先程とは別のアメリカメーカーの代理店会議。場所は中国。その頃には自分もプレゼンには慣れ、また、1日前に言ってくれたので準備期間もあった。出席者はアメリカのメーカー(アメリカ、スイス、中国の拠点からの出席)のメンバー以外はアジア各国の代理店メンバー。中国内の代理店メンバーが過半数だったように思うが、大半は英語が満足に話せなさそうだった。
最初の挨拶は開催地の中国に敬意を表して“大家好”(皆さんこんにちは)。
それまで眠そうな眼をしていた中国人達が一斉に(一瞬)顔を上げた。最初の言葉さえ出てくれば、後は何とかなる。
最近は、少なくとも今年は、そのようなプレゼンの機会も無く淡々と仕事をしている。
マンネリ化、悪い兆候である。少しばかり刺激を入れないといけない。
そう言えば仕事では無いが、先日結婚披露宴で話したスピーチ、これは滅多にない機会なので適度な緊張感がある意味心地良かった。