使わない外国語

先日、台湾企業の日本側連絡員をしている人と話す機会があった。
普段であれば4~5回/年程度台湾のメーカー本社に行くらしいが、新型コロナ禍の現在は台湾渡航もできない。
情報交換はEmailや電話に限られる。
電話では台湾で言う「国語」、中国大陸の「普通話」、で仕事の話はされているようだが、やはり言葉が出てこない、とおっしゃっていた。

電話やWeb会議などで外国にいる人と気軽に話せるようにはなったとは言え、やはり現地に行くと行かないでは話す内容が違う。
電車やバスに乗る時、店で買い物をする時、食事をオーダーする時など場面が無数にある。
もちろん、自販機で切符を買ったり、交通系ICカードを使って電車・バスに乗り、スーパーマーケットで買い物をするなど、会話をしなくてもとりあえずは活動はできるが、街中で聞く言葉と言うのも外国語感覚をつける、または、維持するには役に立つ。

20代の頃に取引をしていたアメリカのメーカーに日系人のエンジニアがいた。
中学・高校のころまでは日系人の両親と、家庭内では日本語で生活していたが、高校の頃に家を飛び出し、白人社会で生活することにしたと言う。
その後、40歳の頃に初めて日本に仕事で来るまで、日本語とは基本的に縁の無い生活を送ったらしい。

初来日時には、仕事で2週間くらい東京にいて、その後祖父母の生まれ故郷の近畿地方に行ったので、計1か月近く日本にいたのだと思う。
来日当初は、日本語もほとんど話せず、時々聞いてわかる言葉がある程度だったが、一緒に仕事をしている2週間で、少し話せるようになり、近畿地方から東京に戻って来た時には、簡単な会話は日本語でできるようになっていた。

生まれてから15年ほど日本語環境で育った人でもそんな感じ。
増してや後付けで学習した外国語、少しでも話す時間が無ければ、やはり話せなくなってしまう。もちろん、外国語だけでは無いだろうが、使わない能力は衰えてしまう。

能力を向上させることはもちろん、維持するにも努力が必要。

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