火鍋 と 胃袋

日曜日、昨日に続き食べ物の話題。

寒くなり鍋物の季節になって来た。
最近は、日本でも“火鍋”を良く見聞きするようになった。中国の鍋料理である火鍋はいろいろな種類があるが、四川省の麻辣火鍋が代表的。四川料理は辛いことで有名だが、中国語で“麻辣”と表現される山椒の痺れる辛さが強い。

麻辣火鍋は日本語で言うラー油(辣油)に唐辛子、それに花椒と呼ばれる山椒がたっぷり入った出汁に、色々な具材を入れて食べる鍋料理。出汁は、一般的には赤い見かけだが、山椒が多くなるにつれ黒くなる。日本にある火鍋は赤、それも比較的薄い赤が多い。

初めて火鍋を食べたのは上海だったと思うが、衝撃的な辛さ、と言うより熱い、と感じた。
中国に住んでいた時は、火鍋を食べる機会も多く、辛さの感覚もいつの間にか麻痺し、いつも平気で食べられた。
帰国後も東京で時々火鍋を食べたが、帰国直後は辛味が足りずに物足りないと感じる事が多かった。初めて上海で食べた火鍋もその頃から考えると、全然辛く無いものだった。

帰国後は、徐々に火鍋を食べる頻度も減り、店でオーダーする時の辛さもマイルドになる。
ある時、心の準備、と言うか胃袋の準備ができていない時に“辛い”火鍋を食べた。自分の基準としては、とてもマイルドな辛さだったのだが、辛くて余り食べられなかった。辛い火鍋を食べるには、慣れと、心&胃袋の準備が必要だと思った。

世の中に辛い料理は種々あるが、楽しめる範囲で食べるのが良い。
食べ慣れてくると辛さに身体が慣れてくると思うが、激辛を他人と競争するなど、無理はしない方が良い。

火鍋で言うと、鴛鴦鍋と呼ばれる2つに仕切られ、2種類の出汁を楽しめる鍋が多い。
また、新型コロナ禍では外で鍋料理を食べることは無いが、一人鍋と言うのも良いかも知れない。個人個人が小さい鍋に好きな出汁をオーダーし、好きな味を楽しむタイプ。上海に住んでいる時は、このタイプの鍋料理屋に行く機会も多かった。

火鍋を食べる時には、まずは事前に胃袋と相談し、自分に合ったものを楽しむ。脳と胃袋のけんかはしない方が良い。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

世界と日本

次の記事

ハンカチ