菅と菅 姓名の読み方

菅義偉さんが第99代内閣総理大臣に選出された(※)。
「菅」姓の総理大臣は2人目。
一人目は第94代菅直人氏。

世界のほとんどの国では、「Suga」首相と「Kan」元首相は別人だと認識されるが、漢字圏の中国や台湾、その他華僑圏では、日本と同じように「菅」。中国語の普通話での発音は”jiān”。二人が兄弟や親せきなどと誤解されないよう、また、主義主張が同じだと誤解されないように報道なども気をつけないといけない。

中国に居た時、日本人でも姓名を中国語読みで覚えていた人もいた。大陸で使う簡体字と日本の漢字は微妙に違っても、基本的に1対1で対応するので日本語で書き方(異体字などは除く)はわかるのだが、日本語の読み方が分からない人、と言うのがいた。
「渡辺」さんを「ワタナベ」「ワタベ」と間違えるくらいは、まだ良いが、「東」さんの読みが結局分からないままでいる、と言うこともあった。このブログでも何回か書いたが日本語の読み、特に固有名詞は難しい。

ところで、姓名の名。こちらは子供の出生時に親などが届けるのが一般的。戸籍法では、使用できる漢字は決められている(常用漢字・人名用漢字)。ところが、読み方は戸籍上は必要なく、平成6年(1994年)には正式に「戸籍の傍訓の制度は廃止」された。つまり、どう読もうが自由。

戸籍上の名前を変更する場合、表記(書き方)を変更するには家庭裁判所の変更許可を得て役所への正式な届け出が必要。
呼び方(読み方)は本人が変えたければ、自己宣言で勝手に変えられることになる。同じことが、姓についてもいえる。
但し、自治体によっては、住民票に読み方・フリガナを記載している場合があり、この場合には変更届を提出する必要があるが、家庭裁判所で変更許可を得る必要は無い。

これは戸籍法上の扱いであって、日常生活ではそう簡単では無い。
例えば、パスポート。漢字記載は無く、ローマ字のみ。姓名の読み方を変えると、パスポートの変更も必要になる。
また、銀行口座クレジットカードなど読み方が必要な書類等も沢山ある。

よほどのことが無い限り、正式な呼び名(読み方)は変えないのが無難、ニックネーム程度に留めておくのが良いかも知れない。

※ 厳密には9月16日の衆院本会議で内閣総理大臣に指名され、皇居での信任式を経て首相に就任。

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