台風と日本の停電
気象庁が「特別警報級の勢力に発達する恐れがある」と早々と発表している台風10号(Haishen=海神)が接近しつつある。
昨年(2019年)房総半島を襲った台風15号(令和元年房総半島台風 FAXAI)や一昨年関西地方に大きな被害をもたらした台風21号(JEBI)など台風では停電も多発している。
日本の電力は世界的に見ても非常に安定しているので、停電にはほとんど縁が無かった。
東京電力の資料によると各国の1軒当たりの年間の停電時間を見てみると、日本は先進国の中でも最も停電時間が短い。
数年前にカリフォルニアに行った時には「この前久しぶりに停電があった。1年半ぶりかな。」と言っていた。どれくらいの時間停電していたのか聞いたが、10分や20分と言う短い時間では無かった。東京電力のデータでもカリフォルニア州は比較されている地域の中では突出して停電時間が長い。
いつも電気が来ているのが当たり前、無くなって初めて大切さが分かる。
電気の大切さを実感したのは2011年東日本大震災の時。東日本の多くの地域で計画停電など一時は停電が生活の一部だった人も多いだろう。
計画停電は別として、災害で電力復旧に時間が掛かる一つの理由は、引込線が1ヶ所1線に限ると言うルールがあるためだと言う。このルールをマンションや学校などでは2021年にも緩和するらしい。ルールの緩和になぜ1年も掛かるのか分からないが、もう少し素早い対応ができないものだろうか。
さて、電力事情の良い日本の首都東京、そんな東京もやはり一般人の気付かない程度の瞬停(瞬時停電)は割と頻繁に起きているようだ。実際、東京電力の研究所で働いている友人が研究所内のパソコンにはUPS(無停電電源装置)が装備されていると言っていた。
因みに、東京でも特に電力事情が悪いのは銀座エリア。電線の距離で言うと発電所・変電所から一番離れたところに位置するらしい。
それでも世界的に見れば電力事情は非常に優秀なのは間違い無いが。
これからの台風シーズン、停電の影響を受けるところも多くなるかも知れない。昨年の房総半島の台風では、浄水場が停電して水道が止まった、と言う事例もある。
昨年、ミャンマーに行った時には、マンダレーの街中にディーゼル発電機が普通に置いてあった。電力事情の悪いミャンマーならでは。
日本でも、事業所や家庭でもUPSやバックアップ電源の備えが必要な時代になったのかも知れない。