日本の水 世界の水
キッチンの水道、蛇口の先端が壊れ、この機会に蛇口全体を新調した。先端が壊れたためにそれまで付けていた浄水器が使えなくなった。浄水器があった時は気にならなかったが、無くなると水道水のカルキ臭が気になる。
カルキは殺菌効果の強い塩素の化合物(次亜塩素酸カルシウム)。日本では水道法で残留塩素濃度が制限されているので、カルキ臭い水道水を飲んでも直ぐに人体に影響は無い。カルキ臭の無い水が飲みたければ、煮沸したり浄水器を使ったりすればカルキ臭は無くなる。
今時はペットボトルその他の水が当たり前で、水道水をそのまま飲む人はもしかしたら少ないのかも知れないが。
そんなカルキ臭を気にしなければ日本の水は総じて安全。
中国・安徽省では水道水を飲んだ約500人が赤痢に感染した、と言うニュースがあった。
海外の水はやはり気を付けないといけないことがある。
会社の同僚がインドに出張に行った時、シャワーからボウフラの湧いた水が出てきた、と言っていた。
ロサンジェルスに住んでいた知人がメキシコに行った時、ひどい食中毒の症状が出た。水には気をつけ、歯磨きも安全な水を使っていたが、思い当たるのはシャワーの水、と。
自分も上海にいた時は水道水が臭い、といつも思っていた。日本のようなカルキ臭では無く、無理に表現すると油臭い感じ。ウォーターサーバーを置いて、水は買っていたが、歯磨き程度はその臭い水で我慢していた。
工作機械の一つにワイヤー放電加工機と言うのがある。文字通りワイヤーに電気を通して放電させ、熱により金属などを加工する機械。そのワイヤーは高熱になるので、水槽に溜まった液体で冷却する。水の場合は、日本だと水道水を濾過して不純物を取り除いて使うようだが、上海近郊(江蘇省や浙江省)の工場では、水道水ではワイヤーが直ぐに錆びたため、使えなかったそうだ。もちろん、金属のワイヤーは水に浸して置くと錆びるので防錆剤(ぼうせいざい)を水に入れるが、防錆剤を入れてもすぐに錆びたらしい。そのため、ウォーターサーバーに使う飲料水を使うのが常だった。
余談だが、防錆剤メーカーの人が、ウォーターサーバーの水を持ち帰り検査したところ、大腸菌の数が日本の飲料水基準を超えていた、と言う話もある。
少々カルキ臭くてもやはり安心できる水の方が良い。
そう言えば、京都の実家では浄水器を使わなくなって久しい。父親が言うには、水が良いので浄水器は要らないとのこと。
京都で水が有名なのは、日本酒で有名な伏見(ふしみ)。元々は「伏水」とも書かれたようで、地下水が豊富に流れている。山に囲まれた京都は、広い平野に位置する関東より水は綺麗なのだろうか。
いずれにしても、空気と水が無ければ人間は生きていけない。どちらも安全・安心でクリーンであることが大切。
普段はあまり意識しないが、山や川を綺麗に保たなくてはいけない。