昼のランチ、夜の酒

東京のビル街で昼食を摂る店は夜は飲み屋と言うところが多い。夕方帰宅時にそんな店の前を通ると店の人たちが手持ち無沙汰で突っ立っている。店の中を覗いても一人で食事する人が時々居る程度。

先日もそんな店にランチに行って、夜のメニューを見ていると店員が“夜も来て頂けるんですか?”期待を込めた口調で尋ねてきた。
やはり夜の客はほとんどいないのだろう。
今まで入ったことの無い店だったが、最近はランチ時も並ばずに入れる。

メニューを見ていると色々なブランドの酒類もある。
店も大変だが、酒類を造っている小さな酒蔵なども相当な打撃を受けているはず。
人にも拠るのだろうが、変わった酒はなかなか家庭では飲まない。店だと、少々高い酒類でも、仲間と分けて飲んだり、一人だけでも一杯単位で楽しめるので敷居が低い。
ただ、これだけ夜の客の入りが少ないと店としても余り高い酒類を仕入れることもできないかも知れない。
こう言うと誤解されるかも知れないが、飲食店は一般的に参入障壁が少ない。普段でも、毎日のように新しい店ができては閉店して行く。
それに比べると酒造は一朝一夕にはできない。体力のある大手ならばいざ知らず、各地で細々と地酒造り続けている酒屋さんは大変だ。一度、伝統が途切れるともしかしたら復活できないかも知れない。

食べ物も同じ。特に高級食材と言われるものは需要が減り、高く売れなくなる。例えば、魚介類は獲らなければ増えるかも知れず、漁を再開した時に大漁になるかも知れないが、肝心の漁業者がこの苦境を耐えられるのか?
高級食材は美味しく食べようと思うと、恐らく料理の技も必要で、簡単に家庭では調理できないものもあるだろう。

そんなことをランチを食べながら思っていた。それとも普段からそれ程アルコール類にこだわりが無く、高級食材とは余り縁の無い自分とは違って、皆さんは外飲みができない今、自宅でそれなりに良いお酒、高級食材を楽しんでいらっしゃるのだろうか?

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