モーリシャス沖の海難事故 船籍・船主・運航・乗組員

日本の商船三井が運航する貨物船「WAKASHIO(わかしお)」が座礁し、流出した重油などの油がモーリシャスの生態系や経済に打撃を与えていると言うニュースは連日報道されている。フランスや日本、国際連合のチームが中心になって、油の回収などモーリシャスの支援を行っている。

WAKASHIOは、
船主:長鋪(ながしき)汽船
運航:商船三井
とどちらも日本の会社。
船籍は、パナマ。

船籍は船の国籍で、一般的には船主の国にするが、コストその他の面で他の国に便宜上船籍を置いておくことも多い。昔からパナマはそんな便宜置籍国として有名な国。

船籍が日本の場合は、日本の法律が適用される。多くの国は、自国船籍の船舶には自国民を乗船させる義務があり、日本船籍の場合も同じ。
自国民の乗船を義務付けていない国もあり、その一つがパナマ。想像の通り、日本人は船員コストも高く、運航コストを抑えるため低賃金の国の乗員で運行させるためにパナマなどを便宜上の船籍とする。

WAKASHIOの乗組員は、インド、スリランカ、フィリピン人だと言う。船長はインド人(8/18に逮捕された)。乗船員としては割と一般的な国籍。日本人と比べると賃金も大幅に安いのだろう。

普段何事も無く運航されている場合は問題無いが、今回のような事故が起きると責任問題が発生してくる。今回の事故では、責任は一義的には船主にあるようだが、船主と運航会社は協力して問題解決にあたると表明している。船籍国と船主・運航会社、など複雑な補償問題が発生するのでは、と想像できる。漏れ伝わってくる報道では船上で乗組員の誕生日パーティーを行っていて岸に近づき過ぎたとも言われる。
報道内容が正しいかどうかはまだわからず、今回の事故が乗組員の人為的ミスなのかどうかも分からないが、もしかしたら乗組員の人件費を抑えたために莫大なコストがかかることになったと言う可能性もある。

ところで、今年の2月に新型コロナ感染者をたくさん出したダイヤモンドプリンセス、この船は
船籍:イギリス
船主:Peninsular and Oriental Steam Navigation Company(イギリス)
運航:Princess Cruises(アメリカ)

感染者の搬送や治療など日本側が莫大な費用負担をしたと思うが、その後の費用補償等はどうなったのだろう?

船舶事故は複数国に関連する事故になるので解決が難しそうに思われる。当然、それ専門の機関があり、専門家が日々活動されている。

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