セミの声と日本語

梅雨が終わって一気に夏。
ジージージーと言うアブラゼミの声にミンミンミンと言うミンミンゼミの声が重なり合う。夕方の散歩・ジョギングコースにはカナカナカナとヒグラシの声も聞こえる。
これらセミの“”を聞き分けられるのは日本人だけと聞いたことはあったが、最近読んだ記事によるとそれ以上に不思議なことが書かれていた。外国人の多くはそもそもセミや虫の聞こえていないのだとか。

ヒトの能力は優れたもので、不要な音は聞こえなくなる。ホワイトノイズと呼ばれる平坦な雑音は普段は聞こえない。聞いても意味が無いからだと思う。同じように線路沿いに住んでいる人は電車の走行音がほとんど気にならない。海辺の人は波の音がうるさいとは思わない。

多くの外国人にとって虫の鳴き声は単なる雑音、よほど意識しない限り聞こえないようだ。
詳細は記事(→こちら)を読んで頂くとして、セミなど虫の声を聞き分けられるのは、日本語を母国語として話す我々日本人に備わった特徴なのだそう。記事によると音楽野のある右脳と言語野のある左脳のどちらで虫の“音”を処理しているかの違いらしい。日本人は左脳・言語野で、他の多くの外国人は右脳と言うことだ。

ただ、いつだったか夏に日本に来たアメリカ人と道を歩いていた時、セミがうるかさった。そのアメリカ人もうるさいことは分かったようで、何の音だ、と聞いてきた。音は聞こえてはいるのだろう。セミの鳴き声は秋の虫と違ってうるさいので例外かも知れない。

スズムシやマツムシなどの鳴き声を聞きながら外国人と話す機会はそう無さそうであるが、新型コロナが治まって外国との行き来ができるようになったら、どこか虫の鳴くところに行って確かめてみたい。

話しは変わるが、韓国の大学で言語学を教えている韓国人の友人がいる。日中韓国語のオノマトペ(擬音語・擬態語)に関する研究を本にまとめていて、読んでみてと渡されたのだがまだ読めていない。
ちなみに、先程の記事によると韓国人も中国人も虫の音は聞こえないのだそう。
セミや虫の声を聴き分けられる日本人の一人として、その本を読んでみる価値はあるのかも知れない。

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