ブルーシートと屋根瓦
久々に千葉県房総半島の街に行った。駅前にはまだブルーシートのかかった家があった。
昨年(2019年)の台風で被害を受けた家の一つ。
大阪伊丹空港のそばの家々にもずっとブルーシートのかかった家々があった。2018年の大阪北部地震と台風21号で被害にあった多くの家の一部。約1年半でやっと空港近くはブルーシートがほぼ無くなったように見受けられる。
ブルーシートは屋根瓦が飛んだり落ちたりした後の応急処置だが、復旧に時間のかかる原因の一つは瓦の生産が追い付かないことのようだ。
瓦の起源は諸説あるようだが、中国の周の時代(紀元前900年〜800年頃)にはすでに瓦は屋根に使われていたようで、日本には飛鳥時代の6世紀に朝鮮半島の職人によって伝えられたとされている。
当初は、寺院など権力の象徴として用いられたのだろうが、昭和の半ばには瓦の大量生産技術が確立され一般家屋にも使われるようになったようである(屋根のいろはホームページより)。
屋根瓦(粘土瓦)の生産量は、経済産業省が統計データを持っている。それによると、1990年代後半から目に見えて生産数が減少している。
もちろん屋根材は粘土瓦以外にもスレートやトタン屋根など種々あるが、まだ一般住宅では瓦が多いようである。屋根材全体としては金属の方が多いが、工場など住宅以外の屋根面積が多いからだと思われる。
屋根に限らず、昭和から平成、令和と技術や価値観の変遷とともに、使われるモノも変わって行くのはやむを得ないことであるが、住宅など長寿命の構造物に使われる部材は変わってしまうとメンテナンスが難しくなる。
豪雨や竜巻など災害が増えている。部材の入手ができないために住民の生活復興が進まない、と言うのは悲しい。