視覚障害者とヨット – クロックポジション

再びヨットの話。
日本語のヨットは大抵は風をセール(帆)に受けて走る船。

初心者がヨットに乗る時にまず指示されるのは、見張り重り役。
見張りは文字通り、周りを見て他の船や漁網などの障害物、岸や遠くの風などを見ること。なかなか初心者で風は見えないのかも知れないが。
もう一つの重りは、人の体重でヨットのヒール(傾き)を抑える大事な役割(→関連記事)。人によっては傾いている事にあまり気付かないようだが、何故だか自分は気になってしまう。子供の頃に乗り物酔いをしやすかったことと関係あるのだろうか?

視覚に障害がある人もヨットに乗れる。日本視覚障害者セーリング協会と言うNPO法人もあり、視覚障碍者のセーリングを推進している。

視覚障害者は見張り役はできないかも知れないが、重り役としては健常者よりも感覚が優れているのでは、と思う。
ヨットで一さらに大事なことは風を感じること。特に微風の時は、風を“つかむ”のが難しい。じっと黙って、皮膚にあたる風に感覚を研ぎ澄ます。視覚に障害があるとこの皮膚感覚は優れている。

ヨットは走っている時の皮膚に感じる風が一番心地良い、とも言えるので目が見えなくて楽しめると思う。

ところで、この記事を書いたのは、ファミレスの店員が視覚障害者に料理をサーブする時に使った“ピザは12時、サラダは3時”と言う言葉。
ヨットでは、真正面が12時、真横は右が3時、左は9時で、表す。
見張り役は“10時に漁船”、“1時にウィンドサーファー”などと言う。クロックポジションと呼ばれ位置を示す時には便利。

普段あまり使わないが、視覚障害のある人に分かりやすくモノの場所を伝える時にも使えるんだ、と改めて思った。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

科学・技術

次の記事

水の惑星 地球