レジ袋と生ごみ
昨日(7月1日)から全国の小売店でレジ袋が有料になった。
今までは、小さな品物一つしか買わない時でもわざわざ小さな袋に入れて渡されていた。そう言う時は大抵“袋要りません”と言ってはいたが、言うのが遅れたりすると袋に入って来て、無駄だな、と思っていた。
レジ袋有料化でそう言う無駄は無くなるが、ゴミ捨ての時に袋が無いと困る。自治体によっては指定ゴミ袋に入れてゴミ出ししなければいけないが、自分の住むところはレジ袋でOK。
ゴミとレジ袋を考えると焼却ゴミという意味では、レジ袋はそれ程“悪者”だとは個人的には思えない。
家庭から出る生ゴミ。“生”と呼ばれる通り水分の多いゴミ。集配されるゴミに出す時は“燃えるゴミ”だと思うが、少し理科の復習。
生ゴミ1トンに含まれる水分が80%だとすると、水分は800kg。
水1kgを1℃上昇させるのには1kcalの熱量が、気化させるのには539kcalの熱量が必要となる。つまり、生ゴミ1トンを焼却するには、512,000kcalの熱量が必要(但し、生ゴミの温度が0℃と仮定した時。一般財団法人環境イノベーション情報機構ホームページより)。
焼却炉でこれだけの熱量を発生させるには何かを燃やさないといけない。
燃料としてみた場合1トンあたりの熱量は、石炭は6,000kcal、紙・木は4,000kcal、プラスチックが10,000kcal。
生ゴミが多いと熱量の多いゴミを大量に燃やす必要がある。余りにもゴミを減らすと熱量が足りずに重油等を燃やすこともあるとか。
プラスチックは焼却した時に有毒ガスが出るという問題もあるが、最近は焼却炉の性能向上、有毒ガスの出にくいプラスチックの使用(プラスチックとひとことで言っても色々な種類がある)などで、プラスチック焼却時の有毒ガスは大きな問題では無くなったようだ。
ゴミを焼却することが多い日本では、プラスチックよりも生ゴミを減らる方が効果があるかも知れない。
一番は、庭などに埋めて自然に還す(たい肥化)ことだと思うが、手間もかかり、都会では庭の無い家庭も多く現実的では無い。または、少しでも乾燥させて生ゴミの水分量を減らすことが環境には優しい。
レジ袋に戻るが、そのまま道端や川などに捨てると、川を流れて海に行き、ウミガメやイルカ・クジラなど海洋生物や海鳥などが食べてしまって生態系に悪影響を与えるが、正しく焼却すればそれ程害のあるものでは無い(と思う)。
何でもそうだが、短絡的に“レジ袋が悪い”と言う“袋たたき”はいけない。
レジ袋有料化は、環境意識の向上、ポイ捨ての減少などの効果はあるとは思うので否定はしないが、他にももっとやることあるだろう。