靴とマスク – 環境変化に対応する道具
アメリカ・フロリダ州で新型コロナ感染者が急増しているらしい。州内の市長などはマスク着用の指示を出しているが、州知事はマスク着用にそれ程積極的で無いようだ。CNNのクオモ・キャスター(ニューヨーク州知事の弟)がフロリダ州知事に向かって、「何故マスク着用の指令を出さないんだ?昔と違って今はみんなシートベルトをする様になったじゃないか。マスクもそれと同じ、新しいスタイルだ」と糾弾していた。
確かにシートベルト着用が当たり前になると、シートベルトをしないで車に乗るのはあり得ない感じになる。
もっと身近なところでは、靴をはじめとした履き物。
都会で暮らしている現代人には裸足の生活はもはや考えられない。
人間は猿、類人猿から進化して来たが、最初から靴を履いて生活をしていたわけでは当然無い。
人と靴の歴史(→こちら)によると、ヒトの祖先が履き物(サンダルのようなもの)を履くようになったのは、人口が増えてそれまで住んでいた草原が“密”になったため。森林など足場の悪い場所に生活圏を広げて行ったが、進化が追いつかず道具(履き物)を使い始めたと言うことだ。
マスクについても、人間の生活が密になった為、とも言える。
人口密度の低い地域であればマスクを付けなくても感染の危険性は低い。
現代社会では、都会・地方都市でもそれなりに人口密度は高く、他人との距離をとるのが難しいことがある。そうなるとマスクやフェイスシールドなどの道具を使った防御を行う必要が出てくる。
人間以外のほとんどの動物は、進化によって環境に順応していく。順応できた個体だけが生き残ったと言われる。人間は道具によって環境変化を克服して来た。新しい道具を使いこなしたヒトだけが、生き残ったのだろうか?
もし、マスクが新型コロナ対策として必要不可欠な道具であれば、マスクを使いこなしたヒトだけが生き残って行く、と言うことになる。
現時点では、マスクやそれ以外の対策の何が有効なのかが確定していない。長い歴史の中で生き残ったヒトが採った対策が有効だ、と言う証明になるかも知れない。