世界の中の日本 世代による認識の違い

新型コロナで日本の対応が批判されたかと思えば、感染者数・死亡者数が少ないために称賛されたりと評価が分かれる。
経済面でも日本は先進国だ、と言う意見もあれば、もはや先進国とは言えず、“衰退途上”国だ、と言う意見もあったりする。

2018年 世界の一人当たりの名目GDP(USドル)ランキング
世界の経済 ネタ帳 より

日本は、GDP(国内総生産)はアメリカ、中国についで依然として世界第3位。そういう意味では、経済的には先進国。
一方、一人当たりのGDPで見てみると2018年では世界第28位
つまり、日本より上位には27か国あるわけだが、多くの日本人にとって先進国だとは思っていない国々もランキングされているかも知れない。

日本の一人当たりGDPの推移を見てみよう。

1980年、バブル経済の直前あたりからのデータがあったのでグラフにしてみた。
バブルの頃から急激にGDPが伸び、世界の中でのランキングも上がっているのが分かる。意外なことにバブル経済が崩壊した1990年以降も2001年までは一人当たりGDPは、ほぼ世界のトップ5以内であり続けた。その後、急激にランキングを落としている。
日本の経済は伸び悩み、他の国々に次々に抜かれて行ったことになる。

また、労働生産性はOECD(経済協力機構)加盟37ヶ国中、日本は最下位だそうだ。

日本の一人当たりGDPが世界のトップ10であった1986年~2002年に働き盛りの30代~50代だった人たちと言うと、1940年代後半から1950年代生まれだろうか。1940年代後半はベビーブーマー(1947~49年生まれ)世代でもある。

1950年代生まれの人は、2020年現在では、61歳以上。もしかしたら、この年代以上の人たちは、日本は世界でもアメリカに次ぐNo.2と思っているかも知れない。

61歳と言うと、会社や役所勤めだとすれば、停年退職後か定年延長で企業等で働き続けている人。

一人当たり名目GDP – 日本

それ以外で重要な地位についている人は企業の経営者。国や地方議会の議員にもこの年代の人がいらっしゃる。

ちなみに、2020年6月時点の内閣閣僚20名の内、1959年(昭和34年)以前にお生まれになった方は実に11名。

日本を動かしている方と言うのはもしかしたら日本が今でも世界No.2と思っている方が相当数いるのでは無いだろうか?

もちろん、冒頭にも書いたように国としてみた場合は、GDPは依然として世界第3位。
新型コロナで注目された医療機器、CTとMRIの人口当たりの台数は日本が1位。
U.S. Newsの世界最高の国(Best Countries Overall)ランキングでは、日本はスイス、カナダに次いで第3位

まだまだよい所も沢山ある日本。ただ、世界でトップクラスの豊かさか、と言われるともはやそうでも無さそう。
昔は○○だった、10年も20年も前の感覚で判断することなく、現実直視して自国の立ち位置を確認したい。

本当は世界の色々なところを自分の目で見たいところであるが、新型コロナ禍の現在、実際に行くことができなくてもアンテナだけは張っておきたい。

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