「JSA」と「シルミド」

2000年に韓国で公開された映画「JSA(共同警備区域)」をご覧になった方も多いだろう。
舞台は、韓国と北朝鮮が文字通り共同で警備にあたる区域、パンムンジョン(板門店)
ほぼ1年前の2019年6月30日、トランプ大統領が金正恩朝鮮労働党委員長が握手を交わし、国境線を超えた場所。

映画「JSA」は、緊張感のある場所で敵対する南北の兵士同士が友情を育むフィクション。それなりに緊張する南北関係を感じることができるが、素直に楽しめる映画でもあった。

はっきり覚えていないが、北京で買った海賊版DVDで観たのだと思う。「JSA」の話しを韓国人の友人たちと話すと、「シルミド」を見てみろと言われた。

2003年に公開された「シルミド」は、1971年の実話を基にした映画。当時の南北関係の緊張を反映し、北朝鮮トップの金日成首相(当時)暗殺を目論み韓国が極秘に進めた作戦。シルミドは、韓国・インチョン(仁川)にある極秘部隊が訓練を行った島(実尾島)の名前。
この映画は、日本でどれくらい話題になったのかわからないが、ノンフィクションだけあって「JSA」とは違う迫力があった。

韓国側から見た開城工業団地
(写真は、柵の後方約2mからしか撮れない)

昨日、北朝鮮が南北共同連絡事務所爆破した。ケソン(開城)にあるこの事務所は、2018年4月の金正恩委員長と文在寅大統領のJSAでの会談後に設けられた。北朝鮮側にあるケソンは韓国の国境地帯からも見えるところにあり、一時は南北融和の象徴とも言われた工業団地。

韓国から見れば、北には敵対する朝鮮民主主義人民共和国、東・南には感情的に許せない日本、西には逆らえない大国・中国がある。韓国人のメンタリティーとしては、常に自国が強くなければ世界で存在していけないと言う。平和ボケの日本とは全く違う。

韓国と北朝鮮。さらには、インドと中国の国境でも死者の出る小競り合いがあったようだ。東アジアでも緊張が高まって来た。

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