洞ヶ峠 アメリカと中国

最近あまり聞かなくなったが「洞ヶ峠」と言う言葉はご存知だろうか?
香港とアメリカ暴動のニュースを見ていて、急にこの言葉を思い出した。

洞ヶ峠(ほらがとうげ)は、京都府八幡市と大阪府枚方市の間にある峠。子供の頃は、京都側につくか、大阪の味方をするか、と言う場所だと思い込んでいたが「洞ヶ峠を決め込む」と言うことわざは、戦国時代の明智光秀と羽柴秀吉の戦いに由来するらしい。

羽柴秀吉と明智光秀が京都の山崎で対陣したとき(山崎の戦、1582年)、筒井順慶が洞ケ峠に布陣して、勝敗の行くえを見守り、有利なほうに荷担しようとした故事による、らしい。史実では無いようであるが。

似たような言葉に、「日和見主義」、「こうもり」、昭和終わりには「風見鶏」と言う言葉もあった。
大抵の場合は、自分の意見を明確にせずに、形勢を見て有利な方につこうとする、否定的意味合いで使われるような気がする。

最近の二大超大国、アメリカと中国に対する日本の態度は、まさに洞ヶ峠を決め込んでいるように思う。

香港安全法を採決した中国に対しては「深い憂慮」を表明したようであるが、アメリカやイギリス、オーストラリア、カナダのような非難声明を出しているわけでは無い。
アメリカについても、人種差別の問題を暴動・略奪など治安の問題にすり替えようとしている政権だが、日本政府は特に反応はしていないようだ。
どちらの国に対しても強く日本の態度を示せれば立派なものだが、日本にそれを期待するのは酷。

そこで「洞ヶ峠を決め込む」ことになるが、日本政府の会見で「諸外国の対応をよく見極めたうえで」などの表現が使われるが、まさに日和見主義。

第二次世界大戦後(もしかしたら、安保闘争以降)は盲目的にアメリカ支持をしている日本と言う印象がある。一方、江戸時代以前の日本は外交の中心は中国(もちろん共産党政権ではない)だった。日本文化も当然中国の影響を強く受けている。

そんなアメリカと中国、日本から見ればどちらも大切な国。
日本の「洞ヶ峠を決め込む」態度は最善の策なのかも知れない。

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