香港 資本主義と民主主義
香港情勢が再びきな臭くなって来た。香港に親しい知人は居ないが、香港の人達の現状を考えると何とも言えない嫌な気分になってくる。
昨年(2019年)3月頃から始まった“逃亡犯条例改正案”に対する反対デモは一時収まったように見えていたが、“国家安全法”と言うより強力な締め付けがされようとしている。
香港のビジネスに対する役割。香港との直接のビジネスには関わっていないが、香港が不安定になると影響が出そうな感じがしている。
アメリカ企業の中国製造拠点で製造されている製品を輸入することがある。中国の省・市によっては、輸出や運送に対する規制が厳しく、また、明確な理由も説明されないままに日本への輸送ができないことがある。そんな時は、メーカーは香港経由の輸送を手配してくれる。
中国と香港の間を人が通過するには入出境手続きが必要。恐らく貨物の場合も建前としては税関検査があるはず(この辺の事情に疎くて申し訳ありません)。しかしながら、中国から日本への輸出に比べると、中国から香港への貨物の移動は簡単。また、香港は伝統的に自由貿易地域だったので、香港→日本への輸出もそれ程難しく無い。この為、中国の製造拠点から日本へモノを送る時に香港経由になることがある。
香港の生命線は、モノにしてもヒトにしてもこの自由さであるはず。香港情勢の悪化によりビジネスへの影響も出てくるのでは、と懸念される。
国際政治や国際法には疎いが、1984年12月にイギリスのマーガレット・サッチャー首相と中国の趙紫陽国務院総理が署名した「中英連合声明」により、香港の体制は1997年7月1日の香港返還から50年間は維持されると約束されている。
この体制、中英連合声明の原文は見ていないが、Webで簡単に見つかる資料では、英文でも中文でも「資本主義」体制を維持するとある。民主主義と言う言葉は見つからない…