交通インフラとしてのレンタカー ハーツの経営破綻

アメリカのレンタカー大手・ハーツ経営破綻した、と言うニュースが飛び込んで来た。連邦破産法第11条(民事再生法に相当)と言うことなので恐らく経営は続けられるとは思うが、最近のアメリカ出張で借りるレンタカーはハーツばかりだったので、少し困る。

アメリカのレンタカーは、日本のそれとは意味合いが大きく違うような感じがする。少なくとも少し前まではそうだった。

東京圏に住んでいると交通インフラと言うとまず電車が思い浮かぶ。それからバス。Googleマップなどがバスの時刻を取り入れてからはバスを利用する機会が増えた。どうしても電車もバスも無い時や荷物が多い時はタクシー。出張を考えると、新幹線(電車の一種)、飛行機路線バス・高速バス。たまに。そしてタクシー。最寄り駅から遠い所などに行く時はレンタカーの選択肢もあるが優先度は低い。

一方アメリカ。出張でしか行った事は無いが、空港からの第一の選択肢はレンタカー。バスや乗合バス、タクシーも利用したことはあるが、圧倒的にレンタカーが多い。

空港にはレンタカーのカウンターがあるのは当然。大抵の空港にはレンタカー・パーキングまでのシャトルバスがある。または、徒歩でパーキングまで行けるところも多く、サンフランシスコ空港のようにターミナル間移動のシャトルトレインの駅の一つがレンタカー・パーキングというところもある。

以前は、レンタカー会社毎に異なるパーキングがあり、それぞれのシャトルバスに乗ることも多かったが、最近は複数のレンタカー会社のパーキングを一つの大きな立体駐車場のような建物一箇所に集め、利用者の利便性を高めているところも増えている。

日本の空港だと、レンタカーのカウンターはあるが、借りる場所は空港から離れていることも多く、借りる手続きも煩雑でレンタカーに対する敷居が少し高いような気がする(慣れていないだけかも知れないが)。

特に違いを感じるのが、借りる時と返す時。先に書いたように最近はハーツしか借りないが、ゴールドメンバーで事前予約をしていると、パーキング番号〇〇番〜〇〇番まで好きな車を選んで乗って良いことになっている。日本のように、車のキズや凹みを係の人と一緒にチェックする事もなく、自分である程度は確認する。パーキングから出るゲートで、免許証を見せ、キズ・凹みがある場合は申告して出発。

返す時も簡単で、空港近くに来るとフリーウェイにもRental Car Returnの標識があるので、標識に沿って進むと返却場所に辿り着ける。着いたら荷物を取り出し、忘れ物の確認などしていると、係の人がやって来て、車のチェック、ガソリンの残量チェックなどをして利用明細をくれる。それで終わり。後は空港までシャトルに乗って行く。東京圏で言う電車と同じくらいの手軽さ。完全に交通インフラの一部として機能している。もちろん、車社会のアメリカには地下鉄を始めとした鉄道網が十分に整備されていないところが多いと言うのが大きな理由ではある。

そんな中のハーツの破綻。新型コロナ禍による旅行客の大幅減少もあるが、UBER(自動車配車サービス)の台頭も大きい。自分自身ではまだUBERは使ったことは無いが、知り合いのアメリカ人と移動する時はUBERを使うことが多くなった。タクシーよりは相当安いらしい。UBERの経営も悪化しているようであるが、これからのアメリカ出張(行けるようになったら…)では移動方法の見直しも必要かも知れない。

日本でも、地方では空港や鉄道のターミナル駅からのアクセスが課題だと思う。もちろんレンタカーはあるが、先ほども書いたように利便性はあまり良くない。UBERやGRABなどの配車サービスも普及していない。タクシーも運転手の高齢化が進んでいるようで、これからどうなるかわからない。

今後を考えるとレンタカーの利便性を上げるのも一つの手段だが、自動運転の小型バス・バンを交通インフラとするのも候補だと思う。東京や大阪の交通量の多い所と、地方都市では自動運転に対する規制なども違っても良いのでは。もちろん安全性は担保することが前提だが。

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