訪日外国人2900人 日本の産業

2020年4月訪日外国人2900人まで減少したと言う。昨年の4月に比べ99.9%減少、つまり、1000分の1になったということ。国際線機材一機の座席数は200人前後、2900人と言うとたったの14〜15機分。

新型コロナウィルスが中国・武漢で騒がれ始めた頃、日本では対岸の火事と言う雰囲気だった今年1月の訪日外国人数は約266万人(ちなみに中国からは35%、約92万人)。

日本政府観光局(JNTO)が訪日外国人数と出国日本人数の統計データを発表しているのでグラフにしてみた。公表されているのは1964年以降。1964年東京オリンピックが開催された年。恐らく前年1963年に比べると大幅に増加したのだろう。それでも、年間35万人。1ヶ月平均にしてみると2.9万人程度。今年4月の2900人は、1964年の月平均の10分の1。5月の訪日客も4月同様だと思うが、6月以降はどうなるだろう?

日本政府観光局データをもとに作成

海外からの入国制限措置は三段階(ビジネス客、留学生、観光客)で緩和すると言うことだが、具体的時期は未決定。4月のような2900人前後で年末まで続く事は無いとは思う(希望的観測)が、1月のように250万人以上の訪日客が戻って来るとはとても思えない。両極端の数字を使って予測すると年間で400万~1200万人の間。いずれにしても、訪日客が急増した2010年代半ば以前の水準になる事は間違いない。

1980年代バブル経済期、当時の訪日客数年間200万~300万人程度。2020年1月の1か月とほぼ同じ。正常だったかどうかは別として、経済はインバウンド無しでも活況を呈した。

昨年まではインバウンド需要を取り込むことに日本中が躍起になっていた。人口減少時代の現在、貴重な人材をある特定分野に集めるとその他の産業がおろそかになる。まさに、昨年までのインバウンド急増に伴う観光公害、いろいろな分野での人材不足、関連しているような気がする。

日本の基幹産業が何か、どの分野に力を入れるか、という国の形にも関連するが、新型コロナ禍は、インバウンドに頼る経済政策を見直し、これからの日本の形を再考する機会にはなるだろう。

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