二度漬け禁止 と 中国人の衛生感覚
大阪名物串カツ、しばらく閉店していた店も2度漬けならぬ1度漬けも禁止にして営業再開した。風情が無くなったと言う声もあるだろうが、時節柄やむを得ない対策だろう。
2〜3回アメリカ人を連れて行った事がある。No double dipping. 説明すれば理解してルールに従ってくれる。アメリカ人の多くは鍋物など一つの鍋・皿からみんなが取り分けて食べる方式は慣れないようだ。特に直箸で取り分けるのには拒否反応がある。アメリカでも一つの料理、特にアペタイザーなんかはシェアすることもあるにはあるが。
一方、中国人は皆さんご想像の通り、基本的には大皿や鍋から直箸で取って食べる。
韓国ソウルで韓国人・中国人の知人と3人でカフェに入った時のこと。それぞれコーヒーなどの飲み物をオーダーし、韓国人がケーキを頼んだ。一人前だけ出てきたショートケーキをその中国人は何事も無かったように自分のコーヒースプーンで食べ始め、我々二人に向かって“さあ食べて”と。韓国人と自分は引いた。
中国人の出張者が来日した時、とんかつを食べに行った。東京近辺のトンカツ屋には辛子が置いてある。その店は小匙の付いた小さな容器に入った辛子をそれぞれ取り分ける方式。普通は、小匙から皿の上に辛子を落とすか、または、自分の皿のきれいな部分に辛子を乗せ、そこから自分の箸でトンカツに付けたりする。「トンカツに辛子を付けると美味しいよ」と教えると、その中国人は小匙の辛子を齧りかけのトンカツに直に付けようとした。
朝鮮系中国人の家で食事をご馳走になった時。キムチを出してくれたが、それを直箸で食べ、余ったものは再び容器に戻していた。
新型コロナ前までは多くの外国人観光客も串カツを食べに来ていた。2度漬け禁止と外国語でも注意書きがあったが、自国の習慣で無意識に2度漬けしていた観光客も沢山いたに違いない。外国人だけで入店できる串カツ屋にはあまり入りたく無かった。
時代の流れで習慣も変えていく必要がある。二度漬け禁止に限らず、今まで当たり前だった習慣が大きく変わるかも知れない。