サービスのスピードと公平性
政府の現金支給や休業補償、少しずつ進み始めたようだが、スピード感が無い。日本社会、特にお役所では顕著な、”前例が無い“ことは行わないと言う体質が問題になっているのは一因だと思う。
批判するだけで能が無いので、少し弁護的な要因を書いて見たい。
公共サービスは、”すべての住民にとって平等でなければならない”、と言うのが基本だそうだ。
学校でPTA会長をしていた知人が言っていた。自転車通学時にヘルメット着用が義務となった時、学校でヘルメットを指定することになった。子供達がみんな喜んでかぶるような格好いいヘルメットにしたかったそうだが、金額面で実現できなかった。“いくつかのモデルから自由に選べるようにしたらどうだ?”と尋ねたところ、“各家庭の経済状況が違うので、安い(=あまり格好良く無い)ヘルメットしか買えない子供達が出てきて、いじめにも繋がるので出来なかった”と。
また、地方公務員の知人によると、職員が良いアイデアだ、と思っても全住民にとって公平なサービスかどうか、と言う事が常に問題となり、前例の無い施策は行えない、と。
万人に公平なサービスと言うのはどう考えても無理だと思う。どんな施策を実行しようとも反対する人は必ず一定数はいる。
今回の給付金一人に一律10万円、アベノマスクひと住所に一律2枚。これが公平か、と問われればそうではないと言う意見は必ず出てくる。
民間企業であれば、お金を払ってくれる人だけにモノを売ったり、サービスを提供したりすればよい。公共サービスになると、税金を払っている人だけにサービスを提供する、と言う選択肢は無いようだ。
万人に公平なサービス、民間企業で働く自分にとっては想像できないが、確かに難しいかも知れない。