黒死病と中国

感染症の歴史では有名な黒死病と言うのがある。
14世紀のヨーロッパで流行し、人口の3分の1が亡くなったと言われる感染症だ。異説もあるらしいがほぼペストに間違いないと言われている。

JBPressの記事に拠ると、その時代にアジア大陸を広く支配したモンゴル軍が、現在の中国・雲南省でペスト菌に感染したネズミなどを他地域に持ち出し、軍隊の西進とともにヨーロッパに感染症を広げたらしい。

雲南省と言えば、インフルエンザの変異が発生する場所でもある。

例外はあるようであるが、インフルエンザからヒトには感染しない。鳥のインフルエンザにもヒトのインフルエンザにも感染するが、中間にいると言う。
鳥インフルエンザが変異すると豚を介してヒトに伝染する。

雲南省シーサンパンナ・豚のいる家屋

雲南省は、人と豚と鶏が一緒に暮らしている。現地の事情に詳しいわけでは無いが、少数民族・タイ族の伝統的な家屋では、高床の住宅で人々が暮らし、地面には鶏や豚が飼われている。
先程のインフルエンザの変異が広まる条件が揃っている。

近年、世界を脅かした感染症。今回の新型コロナ新型インフルエンザSARS。それに14世紀の黒死病まで、色々な病気に中国(地理的な意味で)が関連していると言うのは驚きだ。

現代は世界中の人々が移動する時代。中国人をはじめアジア大陸を支配した民族は世界各地に移動する事が昔から多かったのか。感染症は人々の移動に伴って拡がる。

逆に考えると、感染を抑え込むには移動を制限する、と言う原始的な方法が一番良い対策。

日本の緊急事態宣言に伴う移動自粛要請。充分なのか、と疑問に感じるが少しは効果が出ているようにも思える。日本人の良識、科学・医学的基礎知識の理解力に頼るしか無い。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です