外出80%減と70万人 パーセントと実数
緊急事態宣言が発せられてから、「渋谷の人手が79%減少した」と言うような報道が多い。確かに外出を80%以上減らすことで感染拡大を遅らせる・止めることができる、と言われている。この数字以上の裏にある重要なメッセージは「不特定多数の他人と接しない」という事だと理解している。そうだとすると、80%と言う数字も少し違って見えて来る。
世界一乗降客数が多いと言われている新宿駅、JR山手線・中央線などの他、東京メトロ、都営地下鉄、小田急、京王電鉄と複数の会社が乗り入れている。乗降客は1日350万人とも。この80%が減ったとすると70万人、ほぼ新宿駅のJRだけの乗降客数になる。実際には、350万人は平日の数字、80%は土日の数字なので本当はここにも数字の嘘はあるが。
350万人は、静岡県の人口とほぼ同じ。乗降客数350万人は延べ人数、一人が複数回乗降するため、実際の人数は多く見積っても半分以下、恐らく100万人くらいなのだろうか。仮に100万人とすると、ほぼ秋田県の人口と同じ。秋田県の面積は、11,649㎢。これだけの面積で100万人、と新宿と言う一つの駅だけで100万人、密度が全く違う。
緊急事態宣言が全国に拡大された日、秋田知事が“秋田では普段から歩いている人がいない。東京とは事情が違う。”と仰っていたが正にその通り。つまり、新宿駅の80%減と秋田県のそれとは意味付けが変わってくる。他人と接しない、と言うことを考えると、新宿駅では80%減では不十分では無いだろうか?
逆に、この前の日曜日(4/19)は関東地方では天気が良かった事もあり、公園などで人出が増えた、と報道されていた。風通しの良い屋外空間と地下通路など屋内も多い都会の駅とのパーセントだけの比較は、やはり意味が無い様に思う。もちろん、屋外でもイベント開催など人が密集してはいけないが、時々は外に出て太陽の光を浴びないと精神的に参ってしまう。
屋外に行く時は、他人との接触(密集・密接)は避け、一人で黙って行くことにしよう。