多様な情報源と科学リテラシー

新型コロナウィルス感染に伴う非常事態宣言が出されたが、”ここまで酷くなるとは思わなかった“、と言う声をよく聞く。

自分の中では1月下旬頃から何となくこう言う状況も想定していた感がある。何故なんだろう、と思っていてふと気付いたことがある。

一つは、中国に住む、または、住んでいた知人からの情報。特に、武漢で看護師をしていた知人からの武漢情報は強く印象に残った。

もう一つは、在北京日本大使館からの各種お知らせメール。北京に居た時に登録していたものを解除していないだけだが、通常は、休日前の大使館業務休止のお知らせ、など日本に住んでいると不要なメールの他、鳥インフルエンザや豚コレラなど感染症情報が時々来る程度だった。

新型コロナウィルス関連のお知らせも、初めはいつもの感染症情報程度だったが、いつの頃からか毎日のようにお知らせメールが来るようになった。

日本のマスメディアでも中国、特に、武漢の状況をニュースで流すようになっていたが、まだ対岸の火事的な扱いだった。ダイヤモンドプリンセス乗船者のウィルス検査を最初に行ったのが2月3日(2日後に陽性者が判明)。WHO緊急事態宣言を出したのはその前の1月31日。この頃には、今の日本国内の現状が想定できたはずだが、当時の雰囲気はまだ他人事と言う感じだった。

自分では想定できたが、それがいつなのかと言うのはわからず、また、そうなって欲しく無い、と言う希望によるバイアスが掛かっていたところは確かにある。

日本のマスメディアでも当時既に国内でも緊急事態だ、と言う人たちも居たが、まだ楽観論、他人事論調が強かった。世界中、特に欧米の論調はアジアの一地域の出来事、だったので日本のマスメディアだけを責めることはできないが、やはり想像力と科学的論拠を追求する姿勢は欠如している感じがする。

先程の在北京日本大使館からのメールが科学的だったとは言えないかも知れないが、少なくとも現場の情報を具体的数字(中国政府の発表ではあるが)で毎日知らされ、武漢の医療現場の実情を知人から聞くと、さすがに危機感を持った。

普段の情報はマスメディアに頼る事が多いが、可能な範囲で多様な情報源、そして、科学リテラシーを持つようにしたい。

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