人間と機械 - エネルギー損失

人と機械は違いもあるが共通点もある。

どちらも運動(動作)すると熱が発生し、温度が一定限度を超えると壊れたり(病気になったり)、寿命が短くなったりする。また、あまりにも温度が低過ぎても正常に動かない。暖機運転(ウォームアップ)が必要になる。

特に、排熱(冷却)は難しい。東京オリンピックのマラソンも札幌開催になったが、マラソン選手の競技中の発熱量は相当なものだろう。

冷却方法は、空冷と水冷が一般的。

例えば自転車やランニング、外を普通に走ると風を受けるので少し涼しく感じる。室内のエアロバイクやトレッドミルで同じ速さで走ると風を感じないので暑い。もちろんこれらのマシンはエアコンの効いた室内に置いてあるので、その点は快適だが。

走る機械で代表的な自動車、走っている時はやはり同じように風を受けるのでエンジンなどは冷やされる。これが渋滞などで動いていないと風を受けないので冷却効果が薄れ、エンジンが過熱することが考えられる。最近はアイドリングストップが当たり前で、また、電気自動車やハイブリッド車も普及しているので、過熱する心配は少なくなっているが。

ところで、熱が発生すると言うことは、エネルギー保存の法則から考えるとロス(損失)が発生している、と言うこと。機械ではエネルギー変換時の効率を上げることが、省エネにつながる。ガソリンや電気が持っているエネルギーを100%動力に変換できれば(ロスをゼロにできれば)、熱や騒音が発生しないことになる。

人が運動する場合も目指す結果を得る為に効率的な動きをすることが疲れない秘訣と言うことになる。逆に、同じ力でもロスが少ない程、良い結果が得られるはず。

サイクリングやランニングのスピード、ゴルフの飛距離、ピッチングの球速、多くのスポーツに当てはまると思われる。

効率を上げるには理想のフォームにするのが良いのだろうが、人の身体は工業製品と違って、個々人の差が大きいので、Aと言う人に当てはまるフォームがBと言う人にとって最善か、と言うとそういうわけにはいかない。スポーツをしたり見たりするのが面白いのはこの点にあるのかも知れない。

みんな同じ体格、骨格、筋力で、同じ完璧なフォームでスポーツしているときっと楽しさは半減する。もちろん戦術など動作以外の要素もあるので、頭のスポーツと呼ばれる将棋やチェスと同様、ゲーム性の楽しさはあるが。

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