天津出張 移動の不自由
日本人が日本国内では身分証明書を持ち歩かなくても生活に困ることは殆ど無い。普段の生活で提示を求められるのは金融機関や役所に行く時くらいか。
中国では国内移動であっても身分証明書が必要である。10数年でも国内線の飛行機に乗る時は身分証明書が必要だったが、列車移動では不要だった。
今回の天津出張で、中国内移動の際にパスポート提示が必要だったところが沢山あった。
・天津行きのバスチケット売り場、当然のように提示を求められた。
・天津西客站でバスを降り、バスターミナルから外に出る時。ゲートがあり警備員に提示を求められた(この時は道を間違え裏口を通ったからかも知れない)
・天津駅の高速鉄道のチケット売り場
まあ、この辺りは相対範囲内。さらに、
・天津・高速鉄道駅に入る改札。自動改札があり、中国人の身分証は改札にかざし、顔写真を撮られて通過できる。自動改札は外国人のパスポートには対応していないので有人改札へ。パスポートを提示し、顔写真を撮られて無事通過。
・北京南に到着すると、駅の外に出る改札。チケットを自動改札にかざすのかと思ったら、またしても身分証。パスポートは例によって有人改札。
そこで終わらないのが首都・北京。地下鉄駅では天津でも北京でも荷物のX線検査がある。
・北京南駅で地下鉄に乗る時、何故だか荷物検査は無かったが、身分証チェック。警備員が一人ずつチェックしていた。
北京の監視カメラや公安の数は半端無い。確かに昔は沢山いた地下道の物売りや地下鉄列車内の物乞いは居なくなっていた。昔の地下道の露店商の多くはチベット人やウイグル人と言われていた(確かに容貌からはそう見えたが)が、どちらの地域も封じ込められているのだろうか。
現在の日本国憲法では保障された移動の自由。基本的人権の一つであるが、考えてみると江戸時代には通行手形が必要だった。有名な箱根の関を超えるのは大変だったに違いない。
現代世界にも、近隣には移動が不自由な国がある事を忘れてはならない。