中国とベトナムと台湾と
仕事で頻繁に中国に行っていた人と話した。
その人には中国人のビジネスパートナーが何人かいるが、ほとんどの人が中国の政策を支持している。
おそらくみんなそれなりに成功している人ばかりだが、資本主義国で生活している中国人もそう感じている、らしい。
このところ少し経済成長率が落ちつつあり、不況の影が忍び寄っている中国ではあるが、過去15~20年の経済成長には目を見張るものがある。経済成長には発電所や高速鉄道・道路などインフラ整備が欠かせない。
9月に台北に行った時に、台北桃園から台北市内を結ぶ高架鉄道(MRT)は構想・計画から2017年の開業まで20年以上かかったとの話を聞いた。
中国だと、立ち退きなど住民の意見を聞くことはほとんど無く、あっという間に土地の確保、工事が進みインフラが整備される。資本主義、民主主義の台湾では、そのスピードには敵わない。
先日出張で行ったベトナム。
この国も社会主義国であるが、中国のような強制的な手法は採れないらしい。国が小さいこともあり、政府上層部の人脈は繋がっており、ある部門が強制的な手法を採ろうとしても他部門の利に反する場合は、政府内部での調整が必要になり結果的に市民に一方的な負担を強いる計画は実行できないとのこと。
日本も高度経済成長の頃は、公害も大きな問題になってたように、市民の権利よりも国全体としての成長が優先されていたのだと思う。
当時は、日本は”護送船団方式”とか”世界で最も成功した社会主義国”とか言われ、国家主導で物事が進み、資本主義の理念が完全には浸透していなかったのだろう。
企業で言うとトップダウンとボトムアップ。
急激なインフラ整備、経済成長だけを考えると、資本主義よりもトップダウン的な社会主義の方が効率は良い場合もあるような気がする。