ベトナムの交通事情

相変わらずホーチミン市の交通渋滞は酷い。

今回の出張では、夕方のラッシュ時に、商談会場からホテルまでの道のり6〜7km、タクシーで1時間掛かった。ほぼ徒歩と同じ(後で知ったことだが、当日はサッカーワールドカップ予選ベトナム対マレーシアの試合があり、テレビ観戦をするためみんな一斉に帰宅したらしい)。

公共交通機関と言うのはバスしか無く、必然的に自動車やバイクで移動する人が多くなる。

今年(2019年)は、ベトナム国産初の四輪自動車VINFAST(ビンファースト)が発売されるとは言え、若い人を中心にバイクを使う人が多い。車道はバイクでさえ渋滞し、歩道までバイクが走り抜けて行く。交通ルールを遵守する我々日本人が歩道を普通に歩いていると、前や後ろからクラクションを鳴らしてバイクがやってくる。
ベトナムは右側通行だが、時々は道路の左側を走っているバイクもいる。

ちなみに、ベトナムでは”HONDA”と言う単語がバイクのことを指す。一時は、中国製バイクが低価格を武器にベトナム二輪車市場に入って来たが、ホンダ・ベトナムが品質を落とさずに中国製と同程度の価格を実現したために中国製は市場から駆逐されたらしい。

もちろん、公共交通機関の整備は進められてはいる。
日本のODAで進められているホーチミン市の地下鉄、中国主導で建設中のハノイ市の高架鉄道。どちらも計画より遅れている。

これらに懲りてか、ハノイ⇔ホーチミン間の南北高速道路は、元々予定していた国際入札をやめて、国内入札にした、と言う話もある。
ただ、ハノイやホーチミン市の工事遅れの原因の一つはベトナム側の工事代金未払い。

数年以内には公共交通機関も徐々に整備されて行くのだろうが、しばらくは自家用車、タクシーやGRABが無いと移動できない状態が続きそう。
GRABと言うのは、東南アジア版UBER(配車サービス)。UBERから東南アジアの事業を買収し、事業規模を拡大している。

GRABバイク

四輪車のタクシーや自家用車の配車に加えて、二輪車版GRABも非常によく見かける。ハノイ駐在の日本人に聞くと、一人で移動する時はGRABバイクが断然便利とのこと。

大卒初任給が日本円で3万円/月くらいの所、GRABバイクだと月5万円くらいは稼げるらしい。大卒の若い人材が、就職せずに二輪GRABで生計を立てている事が正しいのか、と言う議論は当然ある。

ベトナムの経済成長率は約7%。10年で経済規模はざっと2倍になる計算。今は、GRABの方が稼ぎが良くても、近い将来には企業で働く方が収入は多くなると思われる。

ただ、ベトナムも”サラリーマン”よりも個人事業を志向する人が多い。GRABと言うのは、個人事業の足掛かりとなっているのだろうか?

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