銀シャリ
“銀シャリ”、第二次世界大戦中など食料事情がよく無かった頃、普段はアワやヒエなどの雑穀、イモや麦飯などしか食べられない時に、白いご飯を、おそらくは憧れの念を込めて、銀シャリと呼んだらしい。
初めて海外に行ったのは学生時代のオーストラリア。貧乏旅で食費は節約。ハンバーガー(パイナップルやドラゴンフルーツをはさんだトロピカルバーガーが気に入ってた)やサンドウィッチ、ちょっと贅沢して、と言っても安いステーキ、など白いご飯が無くても特に困らず過ごしていた。
グレートバリアリーフの入り口、ケアンズに行った時、現地で出会った日本人達と、あるホテルのレストランに夕食を食べに行った。そこには日本人のおばあさんがいて、“前もって言っといてくれれば、おにぎり作っておいたのに。明日、来なさい、作っておくから。”と言われた。
“ケアンズまで来て、わざわざおにぎりなんか食べなくても…”、と思ったけど話の流れで翌日もそのレストランに行くことになった。“とりあえず付き合いで”のつもりだったけど、約束通りおばあさんが作ってくれてたおにぎりを食べた。
久しぶりのおにぎりはとても美味しく、“銀シャリ”の有り難みを実感した。
中国雲南省、ミャンマーとの国境に打洛(da luo)と言う町がある。
メコン川の支流の町で、その川を筏で1~2時間下るというツアーがあった。船頭とガイドはどちらもタイ族。タイ族の民族村のようなところで、筏を降り、昼食はその中のコテージのようなところ。どんな民族料理なんだろう、と期待していたら油っこい中国料理。
昼食を終えて迎えに来てくれたガイドに“昼食の感想”を言ったら、家に連れて行ってくれた。その家のお母さんが作ってくれた、もち米を握ったおにぎり、川の岩場にある藻を集めた“岩海苔”で巻いたやつ。素朴な味でとても美味しかった。
やっぱり日本人には白いご飯、おにぎり。
毎日、不自由無く食べられることに感謝。