托鉢(たくはつ)
先日の宗教観から派生(?)して、仏教の修行の一つとされる托鉢について。
日本でも時々繁華街で、托鉢されている僧侶を見かけるが、大抵の人は気にしないで前を通り過ぎて行く。
信心深い仏教国では、僧侶の托鉢が生活の一部になり、また、観光資源にもなっているところがある。そんな町の一つがラオスのルアンパバーン。市街地全体が世界文化遺産になっている。5年前にその托鉢を見た時の日記。
2014/8/24
朝5時に起きて、5時半に通りに出た。日の出の早い8月とは言っても、町の人の朝は早い。炊事用釜戸の火の匂いが漂ってくる。町中で放し飼いの犬たちも穏やかに歩いている。
もうすぐ托鉢の若いお坊さんたちがやってくる、みんな、籠に食べ物を入れて通りに集まってくる。興醒めなのは、乗用車でやってくる人たち、もしかしたら、観光客?、がたくさんいて、通りは路上駐車の車でいっぱいになっていること。
今日は特別なお祭りの日とかで、パトロールカーも出て、若いお坊さん達も、時間になるまでお寺の境内で待機。時間になると、たくさんのお寺から出てきたお坊さん達が列を作って歩き始めた。町の人たちは、炊立てのごはんやお菓子などの食べ物をお坊さん一人一人に少しずつお供えする。
日本でも仏壇のある家では、食事前に仏さんにご飯食べてなどお供えするけど、それと同じようなことが風習として根付いているよう。
この仏教風習が根付き、守られているということで、この街全体が世界遺産に指定されている。だけど、世界遺産に指定されたことで世界中から観光客がやってきて、人々の普段の暮らしに土足で踏み込んでいく感じ。
車の数はまだ少ないけど、駐車場は無く、みんな路上駐車。5台位車が連なると渋滞、と思えるこの町だけど、経済的に豊かになって車が増えてくると今のままでは立ち行かなくなるのかな、とふと思った。