算数の問題 – 感染者と死亡者数
まだまだ終息の気配を見せない新型コロナウィルス感染。報道などを見ていると、”国や人類の危機だ”と言う声もあれば、”重症化率が低いから大きな問題じゃない”と言う意見もある。
そこで簡単な算数で感染者数と死亡者数のグラフを作ってみた。医者でも疫学者でも無いので全く当て外れのグラフになっているかも知れないが、以下のようになった。
致死率の非常に高いエボラ出血熱と致死率0.2%程度と言われている今回の新型コロナを想定して簡単な算数で比較。
勝手に以下の条件にした。
・ 致死率60%の感染症と、0.2%の感染症で比較。
・ 生きている感染者からは別の人に感染する。亡くなった人からは他人に感染はしない。
・ 感染力(基本再生産数=1人の感染症患者から何人に感染させるか)は、どちらも同じ「2」とする。
・ その感染症に対する免疫力や治療方法(治療による治癒率)は考慮しない。
予想通り致死率の低い感染症の方が、極端に高い感染症に比べると、長期的には感染者数が増え、死亡者数も増える。
ちなみに、100年程前のスペイン風邪は致死率2.5%程度、全世界の人口の30%が感染し、4000~5000万人が亡くなったらしい。
実際には、エボラなどでは、亡くなった人の遺体からの感染するらしいので、そもそも計算手法が間違っている可能性は大いにある。
それでも、”新型”、つまり、治療薬も免疫力も備わっていない感染症は、致死率が低い、つまり、感染していても動き回って他人に感染させる人の数が多い方が感染者数、死亡者数が多くなるように思える。
新型コロナ感染に関する報道等から伝わってくる論調は2つの視点が混在しているような気がする。
〈個人の視点〉
致死率や重症化率は低いので、感染を恐れることは無い。
〈社会全体の視点〉
感染症が社会全体に拡散し、社会が混乱して大変な事態になる。
どちらも正しいような気がするが、個人ベースと社会ベースでは当然視点が異なるので、同じ土俵で論じるのが間違っている。
医療専門家の方はどう見ていらっしゃるのだろうか?
いずれにしても、治療法が確立する(または免疫獲得者が十分に増える)までは、感染者を可能な限り抑えて、社会全体で乗り越えて行く必要がある。